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落重試験1.概要設計された被覆アーク溶接棒を用います。神鋼の製品では落重試験とは、鋼材および溶接金属の脆性破壊に関する“NRL―S”がクラックスターター用溶接棒として日本溶接性質を調べる試験法の一つで、工業的小型試験に含まれま協会の認定を受けています。試験片およびクラックスターす。各種の鋼構造物では、その使用条件や環境あるいは材タービードの形状を図1に示します。料に内在する欠陥などの諸要因が重畳したとき、その材料このようにして準備した試験片に落錘を自由落下させ、の降伏点以下の応力で欠陥から亀裂が発生し、秒速数100その結果を“破断”・“非破断”・“無効”の三つに分けます。m〜1,800mの高速で進展する破壊(脆性破壊)を生じま“破断”とはビードを置いた面の片側または両側の端ます。特に溶接構造物では、溶接による熱サイクルを受けるで亀裂が進展した状態をいい、“非破断”とはビード切欠きことによって溶接部に残留応力を生じ、さらに母材の熱影底部に亀裂は生じているもののその面のいずれの端までも響部が脆化したり溶接欠陥を生じたりすることもありま亀裂が進展していない状態をいいます。また“無効”とはす。そのため溶接部は脆性破壊の発生場所となりやすいのビード切欠き底部に亀裂が生じていないか、所定の試験条です。溶接構造物の脆性破壊例として有名なのは、第二次件が満たされていない場合をいいます。試験温度は5℃(10大戦中に米国で起こった溶接船の破壊で、その他にも溶接°F)以内の間隔で変化させ、“破断”と“非破断”の差が5橋・貯槽タンク・パイプライン等の破壊例があります。こ℃以内になるまで繰返します。そして一定温度において2のような構造物の脆性破壊を考える場合には、破壊を“発個以上の試験片が“非破断”となった時点で試験を終了し生”と“伝ぱおよび停止”の二つに分けて考える必要があます。ります。ここで述べる落重試験は、材料の脆性破壊の伝ぱ3.試験の目的および停止特性を調べるための試験です。つまり、もし何落錘の自由落下によって試験片が“破断”状態になったらかの原因で脆性破壊が発生したとしても、その破壊をで最高試験温度をNDT温度(TNDT)といいます。落重試験のきるだけ最小限に食い止める性質をその材料が有している目的はこのTNDTを求めることにあります。表1にTNDTの決かどうかを調べる試験であり、脆性破壊が生じやすいかどめ方の一例を示します。NDTとはNil―Ductility―Transitionうかを見るための試験ではありません。なおこの試験は米の略で、材料の靭性がなくなる遷移状態を意味します。つ国海軍技術研究所で開発された小型試験で、正しくはNRLまり落重試験におけるTNDTが低いほど脆性破壊は進展しに落重試験と称します。2.試験方法くく、材料の使用温度をより低温側へ広げることができることになります。従ってTNDTの値は脆性破壊が進展しやす落重試験の方法はASTM・E208で規定されています。こい材料かどうかの判定規準となります。この考え方は、実れは試験片の片面に非常に硬い溶接ビートを置いてその中際には容器、特に原子炉圧力容器の脆性破壊を防止する規央に切欠をつけ、その裏面に落錘を自由落下させることに格(ASMESectionⅢAppendixG)の中で使用されていまよって脆性破壊を発生させ、亀裂の状態から鋼材や溶接部す。の脆性破壊の伝ぱおよび停止に対する特性を調べる試験で以上のように落重試験は、材料の脆性破壊特性の優劣をす。溶接ビードはクラックスタータービードといい、自然判定するために有効でかつ簡便な試験方法の一つです。亀裂を想定したもので、亀裂が発生しやすいように特別に(1983年3月号)試験片の形状(mm)項目P-1P-2P-3寸法許容差寸法許容差寸法許容差厚さ(T)25±2.5長さ(L)360±10幅(W)90±2.01913050±1.0±10±1.01613050±0.5±10±1.0164