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冷却速度・冷却時間鋼を高温から冷却するとき、その冷却条件によって冷却速度および冷却時間についての模式図を図生成する組織形態が変わり、鋼の性質は大きく異なり1に示します。図1では、板厚やパス間温度、入熱にます。溶接部は急加熱・急冷却が特徴であり、溶接よって冷却速度および冷却時間が大きく変わることが部の組織も溶接施工条件により大きく変化します。示されています。例えば冷めた厚板を小入熱で溶接をしたとします。また、一例として高張力鋼用溶接金属における冷すると、その溶接部は早く冷えるので、溶接部が硬く却速度と0.2%耐力および引張強さの関係を図2になったり低温割れが発生することがあります。逆に熱示します。冷却速度が大きいほどすなわち早く冷えるい薄板を大入熱で溶接した場合は、溶接部の組織ほど溶接金属の強度が高くなることがわかります。が粗くなり、強度やじん性が低下する原因になります。このように、パス間温度、溶接入熱などの条件を冷溶接における溶接条件や冷却条件を定義するパラ却速度や冷却時間を用いて適正化しコントロールすメータとして冷却速度や冷却時間が用いられます。ることで、目標とする機械的性質を得ることが可能と冷却速度については、Rosenthal1)により解析的ななります。検討がなされています。これによれば、溶接部の冷却速度について熱伝導偏微分方程式を移動点熱源((株)神戸製鋼所溶接カンパニー技術開発部(三次元熱流)および移動線熱源(二次元熱流)を解くことで求めており、特に540℃におけるその冷却速度式は今でもよく用いられています。参考文献中西浩二郎)冷却時間の指標としては800℃から500℃(あるいは300℃)までの冷却時間(⊿t8/5などと表記)がよく用いられます2)。これは、軟鋼および高張力鋼のA3変態点がおおよそ800℃前後であること、最高加熱温度が変化しても⊿t8/5がほぼ一定であることから便宜的に求められます。1)2)Rosental,D.:Weld.J.20(1941)220S-234S例えば、稲垣、中村、岡田:材技研報告第8巻(1965)124-141引張強さ0.2%耐力5101520259008508007507006506005500引張強さ(MPa)Rosenthal式による540℃における冷却速度(℃/s)入熱大予熱・パス間大薄板緩冷急冷適正溶接範囲⊿t8/5時間(秒)加熱冷却入熱小予熱・パス間小厚板Tt:冷却速度Tt図1溶接部の冷却時間と温度の関係図2冷却速度と引張強さの関係800540500温度(℃)323