用語解説


>> P.332

図1斜線部に示すように、トーチ内の水経路構造はトーチ先端のジャケット部に流入し、トーチ銃身を戻る構造になっており、銃身、ジャケット部を直接冷却しています。また、ネジ部を介して間接的にチップボディ、ノズルを冷却する構造となっています。現在、ロボット用溶接トーチに、水冷500Aトーチが多く採用されている理由は、[1]高能率な溶接を実現するために、500A、100%での使用が可能であること。[2]溶接中の溶接トーチ各部(特にチップ)温度上昇によるトラブル発生(ワイヤ送給不安定、チップ磨耗、アーク不安定など)を最小限に抑えることを目的とした水冷構造であること。などを考慮してのことと推察されます。実際、定格電流値と使用率のみで、空冷式トーチを採用した事例では、稼動時間経過によってアーク不安定現象が発生し、チップにワイヤが溶着するなどの現象が頻発することがあり、水冷トーチの採用が対策となる場合が多くあります。このように、溶接トーチに関する技術について、ロボットシステム構築の経験から多くの知見を持っているのですが、理論的解決策に至っていないのが実状です。今後のロボット溶接においては、溶接トーチの性能向上も重要な課題の一つと認識し、冷却性能・送給安定性に優れた溶接トーチを開発する必要性があると考えています。(㈱神戸製鋼所溶接カンパニー溶接システム部中西紀晶)123


<< | < | > | >>