京都府八幡市は、日本三大八幡宮のひとつ、石清水八幡宮の鳥居前町として栄え、名所・旧跡の多い京都府の南部に位置しています。1970年代以降、現在の都市再生機構などが“くずはローズタウン”や“男山団地”などの大規模な住宅を造成したことから、大阪市方面のベッドタウンとして発展してきました。今回は、ここ八幡市の国道1号線周辺に立地している工業エリアにあります株式会社クシベウィンテックを訪問し、お話を伺いました。
本日はお忙しい中、お時間を頂戴しありがとうございます。
最初に簡単な会社概要を説明させて頂きます。
弊社は昭和18年に愛媛県で創業しました。その後、本社を香川県に移し、ここ京都工場を含めて現在は4拠点で活動しており、従業員数は現在306名となっています。主な取引先は建設機械メーカー各社であり、売上高の大半を占めています。その中で、神戸製鋼所の溶接材料とは40年来の付き合いです。180トン積載可能な日本最大のダンプトラックの荷台の製作や、世界最大級のブルドーザーのブレードの溶接等の各種建設機械部品の生産ラインで長い間使用させて頂いており、大変お世話になっています。
香川と京都の工場で役割分担などはありますか?
取引先との関連で、弊社京都工場はブルドーザーの部品が多くなっていますが、香川でも京都でも基本同じ設備を入れています。これは、地震をはじめとする災害や設備の故障などの際に、お客様にできる限り迷惑をかけないよう、弊社工場間の連携で柔軟に対応できるようにするためです。
ご使用頂いている神戸製鋼所の溶接材料について感想をお聞かせください。
弊社要望に対して、使用する溶接材料の改良や開発に前向きに取り組んで頂き、助かっています。過去に問題が発生した際にも速やかに対応してくれました。現場は問題が起こるなどの変化に敏感ですので、迅速な対応が大事になります。そういった意味でも、解決に向けて熱心に向き合って対応頂いていることが安心感にも繋がっています。
溶接材料は他社を含め、色々試されることはありますか?
新しいサンプルを持ってこられることもあるので、度々テストを行います。
それらサンプルと比較した上で、神戸製鋼所を使い続けられている理由はどういった所でしょうか?
スラグ剥離した時のビード外観がすごくきれいな点です。ビードの波形がきれいにでるのは神戸製鋼所の良い所。他社と並べて比べると全然違います。
それに加えて大事なのは、我々の問題をしっかりと取り入れて、考え、対策してくれることが使い続けている理由としては大きいです。要望を聞き入れてくれなければ、他社を採用していたかもしれません。さらに、溶接材料を工場の製造過程含めてしっかり管理されている点も使っていくうえでの安心感に繋がっています。
溶接時の課題など、要望を上げて頂ける環境を長い間、築けているのが大変嬉しいです。
我々神戸製鋼所は、上げて頂いた要望を蓄積して、商品開発によりお客様に応えていくことができます。
このような良い関係が40年間続いてきたことが、弊社の強みになっているのだと改めて感じました。
取引先から求められる溶接品質条件が高くなっている中で、どのようなことに取り組まれていますか?
人材育成しかありません。特に、若手を育てていくしかない。人の教育の面では、溶接技能大会への参加が効果的です。昨年は若手が1位を獲得した大会もありました。大会に参加して会社をアピールすることも大事ですが、目標を掲げて技量アップに繋げることが若手教育には抜群にいいですね。競技に参加するということは、自分が主役。いい加減なことができません。先輩社員も大会をきっかけに、後輩社員へ基本をしっかり教えることができるのもいい点です。
また、何をやらせても安心して任せることができる多能工を育てることも大事。取引先の生産台数に大きく影響を受けますので、昼夜問わず工場を稼働させる繁忙期も訪れます。その際に工場をうまく稼働させるためにも最終的には、何でもできる多能工を何人育てることができるか、が会社の強さにつながると考えています。
神戸製鋼所には、お客様の技術サポートを行う部署や、実演をするためのデモカー(溶太郎・溶次郎)などがあります。貴社の人材育成にご協力させて頂きたいと考えておりますので、お気軽にお声かけください。
本日は貴重なお時間を頂きましてありがとうございました。
インタビュー後、活気溢れる工場内を見学させていただきました。溶接工の方々が、ロボットや加工部品に囲まれて作業をされている中で、「うちはブレードが売り。」と熱いコメントを頂戴したのがとても印象に残っています。最後となりましたが、同社の今後益々のご発展とご活躍をお祈り申し上げます。