特集

第19回 エッセン溶接フェアに参加して


「SCHWEISSEN & SCHNEIDEN」(ドイツエッセン溶接フェア)が2017年9月25日から29日までの5日間、ドイツ・デュッセルドルフ市にて開催されました。エッセンフェアはMesse Essen GmbH、ドイツ溶接協会等が主催しており、4年ごとに開催されています。今回は世界40か国から1,000社を超える企業が集結、神戸製鋼は欧州現地拠点KOBELCO WELDING OF EUROPE B.V.とともに出展しました。例年の開催地エッセンの展示場が修理中の為、今回はデュッセルドルフ開催となりました。単純な比較はできませんが、前回(2013年)までの当フェアを知っている方々によると、少しこじんまりした印象とのことです。しかし「溶接のオリンピック」と言われるだけあり、会期中は120か国から、50,000人を超える訪問者で連日にぎわっていました。

KOBELCOブース
KOBELCOブース
会場図
会場図
会場の雰囲気
会場の雰囲気

今回のトレンドは①溶接自動化の提案 ②IoT, ICTを活用した生産管理の提案 ③溶接電源、もしくは溶接材料と溶接電源セットでの高品質溶接の提案 ④非熟練溶接者でも溶接ができる溶接電源・装置 の4点です。ロボットや溶接電源、溶接周辺機器に溶接も含めた総合的な展示が特に目をひきました。溶接士の減少は世界的にも重要な問題になっており、新型ロボットをアピールしているブースが非常に多く感じました。溶接材料単体で展示しているブースも依然としてあるものの、特に大手メーカは溶接電源やロボットとの組み合わせや周辺装置との組み合わせで紹介しているブースが目立ちました。

アジアからは中国の出展数が1/4を占めますが、CMES(中国機械工程学会)の下での出展が主で、個々のブースは非常に小さく北京エッセンほどのインパクトはありません。また、LINCOLNが欧州溶接メーカを買収した直後ということもあり、「欧州再参入」「グループ一体でのソリューション提案」を強く打ちだし、存在感を示しました。

神戸製鋼グループは、“Say Hi to the Original!”というキャッチフレーズの下、ヨーロッパ市場にフラックス入りワイヤを浸透させたパイオニアであること、特にステンレス鋼用フラックス入りワイヤのトップランナーであるKOBELCOブランドをアピールするとともに、KOBELCOの溶接ソリューション提案を業種ごとにパネル展示しました。

展示パネル
展示パネル
展示品
展示品

日本をはじめ世界で実績のある造船向け溶接材料と自動化技術、自動車用溶接材料と鉄とアルミの異材接合技術、ボイラーやリアクター向け溶接材料、また、欧州で海洋構造物やオンショアパイプラインの自動化溶接で定評のある低温鋼用フラックス入りワイヤ( [T]DW-A80L、[T]DW-A62L)や[T]DW-A65Ni1、[T]DW-A70L、Ni基フラックス入りワイヤ[P]DW-N625P、リアクターではCr-Mo鋼用SAWの [T]US-521H/ [T]PF-500、水力発電機器用フラックス入りワイヤの[P]DW-410NiMoや[P]MX-410NiMo、ステンレス鋼用TIG溶加材でOnly One製品である[P]TG-X308Lや溶接ヒューム中に含まれる六価クロムを低減したXRシリーズ等を紹介しました。更に自動化提案として、SEGARC™の実機展示や、大組立用造船ロボットシステムの映像による紹介も行いました。


また、ブース入口には溶接ワイヤを用いてオランダの芸術家が製作した「YOUTARO ~溶太郎」像を設置。多くの来場者が記念撮影をされていただけではなく、会場の日刊紙の取材を受けたりと人気を博していました。(「YOUTARO」は神戸製鋼グループの北欧販社KWE ABのヨーン・エリンセン社長のニックネームにちなみ現地ナショナルスタッフが命名)

YOUTARO ~溶太郎 像
YOUTARO ~溶太郎 像
スタッフ証もあります
取材記事
取材記事


掲示物の一つにKOBELCOの112年間の歴史を物語る年表があります。通りがかりの方々が興味深そうにご覧になっていたのが、とても印象的でした。

KOBELCO 112年の歴史
KOBELCO 112年の歴史

私は今回初めてエッセンフェアに参加しました。展示場というよりも、商談の場=サロンとして活用しているブースが非常に多く感じました。特にドイツということもあるのかもしれませんが、あちこちのブースがカフェかバーのような雰囲気で、ビールやワインを飲みながら談笑したり、夕方からはジャズ演奏が始まったりと、様々な盛り上がりを見せていました。

KOBELCOブースには開催地ドイツをはじめとした西欧はもちろん、北欧やロシア・東欧、インド、中国・韓国、シンガポールやマレーシアなど世界各国のユーザ、販売店の訪問を受けました。一方、景況感によるものか、中東からの訪問者をほとんど見かけないとの声もありました。

神戸製鋼グループは世界各国の展示会に出展しています。出展予定はWEBサイトに掲載していますので、是非ご覧ください。世界の展示会でお会いできることを楽しみにしています。

KOBELCO スタッフ
KOBELCO スタッフ

※文中の商標を下記のように短縮表記しております。
TRUSTARC™→[T] PREMIARC™→[P]

(株)神戸製鋼所 溶接事業部門 マーケティングセンター
グローバル推進部  早野 桂一

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