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米原工業株式会社


常に『挑戦』を忘れない
変化する情勢に対応していく- 米原工業株式会社

徳島県小松島市は徳島市南部に位置し、大鳴門橋や明石大橋ができる前は四国から関西への玄関口として大いに栄え、古くは屋島に逃れた平氏を討つために源義経が小松島市より上陸したという義経伝説で知られる地でもあります。今回は、そんな小松島市に工場を構える米原工業株式会社殿を訪問し、米原社長にお話を伺いました。

事務所外観
事務所外観

本日はお忙しい中、お時間を頂戴し誠にありがとうございます。
また、日頃より当社溶接材料並びに溶接システムに格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。早速ですが貴社が注力して取り組まれていることについて、お話を伺わせてください。

稼働中の「REGARC™石松」
稼働中の「REGARC™石松」

当社は1964年父親が創業し、現在は2代目となります。創業当時は地場の案件が中心でしたが大手住宅メーカ様との取引が増え、現在はこちらが主力となっています。どこも同じ悩みを抱えているのでしょうが、元請様からは短納期・高品質の要求が高まる一方、社内では高齢化が進み、重量物取扱いが多いことから身体への負担も大きく、女性や若手を募集しても中々集まらない。このような背景の中で、当社では溶接の自動化に取り組んでいます。2017年には神鋼さんの『REGARC™プロセス搭載鉄骨柱大組立溶接ロボットシステム(以下REGARC™柱大組システム)』を導入し、近年では『REGARC™プロセス搭載小型可搬型溶接ロボット石松(以下REGARC™石松)』の導入を行いました。単に溶接の自動化に伴う省人化だけではなく、採用の観点でもプラスになると感じています。作業環境を改善することで、若手の採用も増えています。

REGARC™柱大組システムを導入されたのは、2017年でした。導入から2年ほど経過しますが、その後の評価はいかがでしょうか?

先代がARCMAN™VXの省スペース型コア・仕口兼用溶接システムを導入していましたが、当時はコラム加工が少なく、今ひとつ使いこなせていませんでした。今回いきなり柱大組を導入することについては、清水の舞台から飛び降りる心境ではありましたが、大組以外でもコラムなどさまざまなワークにも対応ができるため、導入して本当に良かったと感じています。柱1本当たりの溶接時間は5時間から3時間に短縮され、1本当たりの加工コストも大幅に削減できました。また能率やコストダウンだけではなく、ビード外観も綺麗でスパッタも少なく高品質な溶接ができるようになり、さらに工程管理もしやすくなりました。元請から短納期対応の応援要請があっても、余裕を持って請けられるようになりましたね。追加導入も検討したいところでしたが、設置できる場所も限られてしまう。このような中、小型可搬型溶接ロボット『石松』の紹介を受け、こちらも導入を決意しました。

REGARC™柱大組システム
REGARC™柱大組システム
REGARC™柱大組システム

『 石松』は2017年より神戸製鋼グループの扱い商品となり、さらにデジタル電源SENSARC™AB500と組合せることで低スパッタを実現した『REGARC™石松』を、2018年に上市しました。四国での採用は初実績となりますが、こちらも改めて評価を教えてください。

石松自体は販売店さんから紹介を受けていましたが、導入を決意したのは展示会での実演を見たことがきっかけでした。本体は持ち運びが可能で、使わない時はしまっておける可搬性に優れた点は想像のとおりでした。数値入力も柱大組と多少異なるので、慣れは必要でしたが、違和感はありませんでした。溶接も半自動と比べて、かなり早く仕上げることができ、スパッタも少ないです。強いて言えば、100mm程度の段差仕口まで対応が可能だと、より適用範囲が広がるので今後の開発に期待したいと考えています。

貴重なご意見、ありがとうございました。最後に当社へのご要望と今後の取組みについてお聞かせください。

当社では『挑戦』することを重視しています。今回の大組導入の際に、ものづくり補助金制度を利用しましたが、自身で一から勉強しながら周りのアドバイスも聞きつつ、申請書を作り上げ、採択まで漕ぎ着けることができました。今後は来年度に向け、AW検定にチャレンジしたいと考えています。ロボットと半自動がありますが、徳島県内でも意外とロボットAWを保有しているファブは少なく、早期に取り組むことで、これまで以上に受注を有利に進められると期待しています。施工要領書の策定など改めて行うことで、管理面の見直しにも繋がります。半自動についても溶接工の技量自体は比較的高いと感じていますが、溶接士自身が講習を受ける機会が中々なく、改めて半自動AW検定に臨むことで、新たな知見・発見があるのではと期待しています。

双方ともに初めての挑戦ではありますが、ロボット・半自動ともに実地的な講習会も開催いただけるとのことで、神戸製鋼グループの充実したカスタマーサポートにより、安心してチャレンジできると感じています。ロボットと溶接材料の両面でフォローしてもらえる体制は、神戸製鋼ならではと思います。今後とも、引続き高品質な溶接材料の安定供給だけではなく、上述のような充実したサポートを継続していただきたいと思います。

出荷を待つ鉄骨たち
出荷を待つ鉄骨たち

今回はご多忙の中、取材にご協力いただきましてありがとうございました。今後も魅力ある溶接材料・溶接システムの開発に加え、総合的なフォロー力の向上を図っていきたいと思いますので、引続きよろしくお願いいたします。

米原社長
米原社長
吉原工場長
吉原工場長
山中様
山中様
小川様
小川様


レポーター:杉山 国太郎
(株)神戸製鋼所 溶接事業部門
西日本営業室 四国営業所


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