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株式会社ムラヤマ 酒田工場


郷土と社会のため、人とロボットが融合した生きたものづくり
ー 株式会社ムラヤマ 酒田工場

山形県の北部にある酒田市は、北に鳥海山、南に月山を望み、雄大な庄内平野の中央を流れる最上川の河口に開かれた港町です。江戸時代には、北前船で栄え「西の堺、東の酒田」と言われ、当時の繁栄を象徴する『山居倉庫』は映画『おくりびと』のロケ地にもなり、昨年3月には国指定の史跡にも登録されました。

今回、この自然と歴史の街 酒田に鉄骨工場を構える株式会社ムラヤマ 酒田工場を訪問し、那須工場長、菅原次長のお二方にお話を伺いました。

逆さ鳥海
夏の山居倉庫と欅

工場外観

仕口製作工程
酒田工場 那須工場長
製造部 菅原次長

本日はお忙しい中、ありがとうございます。また、日頃より弊社製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。まず、御社の概要についてお聞かせください。

当社は、大正15年1月に山形市で村山鉄工所として創業いたしました。一貫して安全第一を掲げ、品質・納期・コストをモットーに、地域に根ざしたものづくりを行ってきました。

昭和16年6月に酒田市内にも工場を開設し、2度の移転を経て、今の酒田工場があります。

本社のある山形工場と2工場で生産を行い、現在は東北地区はもちろんのこと、関東地区のお客様からも、多くのご支持をいただけるようになりました。

設備の合理化・自動化を進めながら、職人による丁寧で高品質なものづくりを融合し、お客様に満足いただける製品製作に努めております。

御社では、ものづくり力向上につなげる活動があるとお聞きしましたが、どのような取り組みをされてますでしょうか。

ムラヤマ技能リンピック2021 上位3作品

当社では、半年単位でのジョブローテーションを行うなど、幅広い能力の習得を目指し、ものづくりのオールラウンダー育成に注力しています。

昨年9月に『ムラヤマ技能リンピック2021』を開催しました。社内の技術競技会です。製造の部においては与えられた課題を、制限時間内に、1人で加工~組立~溶接を行い、製品の出来栄えで優劣を競い合いました。

ムラヤマ技能リンピック2021ポスター

その際、使用できる道具は、あえて最低限のものにしています。例えば、開先やスカラップの加工も、ガス切断と金やすりで製作することにしました。頭と腕が鍛えられます。経験の浅い若手従業員は、先輩従業員に教えを請い一緒に取り組みますので、信頼関係や、相手を尊う気持ちも育まれます。こういった従業員一人ひとりの生きた魂が、当社の製品には宿っています。

技能伝承と、技量向上だけに留まらない側面があるのですね。続けて溶接についてもお聞きしたいのですが、現在、神鋼の溶接材料のご使用状況について、お聞かせください。

酒田工場では、2021年2月にすみ肉溶接ワイヤを、FAMILIARC MG-50からFAMILIARC MX-Z200MPに、完全移行しました。美麗な外観が得られ、スラグはく離性が良いのはもちろんのこと、1番のメリットは、スパッタ付着防止液が不要になったことだと考えています。FAMILIARC MX-Z200MPに移行して以来、液を塗布する時間、溶接後にスパッタを除去する時間がなくなり、結果として作業の時短に繋がりました。さらに、写真のようなプライマー鋼板のすみ肉溶接においても耐気孔性に優れているため、光沢のある良好なビードが得られますので、とても満足しています。

また、石松用ではFAMILIARC MG-56Rを使用しています。溶込みも、スラグはく離性も良好なことから、こちらも満足しています。

嬉しい評価をありがとうございます。御社は、石松も広く活用されているとお聞きしましたが、こちらについても、ご評価をお聞かせください。

酒田工場では、大政のダブルトーチが3式、小政のダブルトーチが3式、石松 4台が稼働しています。

大政ダブルトーチ
小政ダブルトーチによる自動溶接

コベルコROBOTiX(株)第二事業部の中田さん、久保さん、川崎さんとは、本当に長いお付き合いで、よく現場にも足を運んでもらっています。特に、25°狭開先施工の開発当初は、ノズル接触や気孔欠陥がなかなか収束せず、現場で一緒になってノズルを曲げたり切ったりもしました。最終的には写真のようなテーパーの狭小ノズルを開発し、課題解決に至ったのは、今もよく覚えています。

右が25°狭開先用に開発したノズル

この狭開先施工は、ひずみと内部応力の低減に寄与する一方で、高度な組立技量と、厳しい精度が必要とされます。2008年以降着実に実績を重ね、施工におけるノウハウも蓄積することで、現在はたくさんの施工実績を基に、多くの設計事務所様から、施工許可をいただけるようになりました。まさに、当社のロボット施工の特長の1つになっています。

狭開先施工の開発エピソードは、とても興味深く感じました、ありがとうございます。それでは、当社への要望についても、お聞かせ願います。

1つ目は、省人・省力につながる石松メニューの拡充。横向き施工などの適用拡大も期待しています。2つ目は、Mn特化則関連で、足下、防塵マスクなどの消耗品費が増大していますので、ヒューム低減につながる鋼材・ワイヤの提案をお願いしたいです。3つ目には、SRC構造の施工においては、MIG-TRAINを今も重宝しています。これらの部品供給とあわせて、後継機の開発をお願いします。

自動化・溶接施工の両面からの、貴重なご意見ありがとうございます。今後も、神戸製鋼グループ一体となって、課題解決につながるメニューをご提案してまいります。最後に、今後の抱負について教えてください。

建築鉄骨の製作は、工事ごとに構造の特色が異なり、各工事は、各々の部署が連携して作り込みを行い、初めて成し遂げられます。だからこそ、不備なく製品を現場に納められた時の達成感は、何ものにも代え難いです。そして、その完成した建物や構造物は、この先ずっと世の中に残り続けるので、未来につながるロマンに溢れた仕事だと思っています。

私たちは、4年後に創業100周年を迎えます。今後は今以上に総力を結集し、人間尊重の働きやすい職場づくりと、誠実さと若さで、皆さまから一層愛され信頼される鋼構造のパイオニアを目標に、郷土と社会発展のため、貢献していきたいと考えております。

鉄骨製作の魅力、そして強い意気込みありがとうございました。
ご多忙の中、取材に協力いただきました那須工場長、菅原次長には、心より感謝申し上げます。
今回取材を通して、ものづくりを担う「ひとづくり」への思い、郷土のため社会のため、会社全体で良い製品を作っていきたいという情熱を強く感じました。
最後になりますが、4年後の創業100周年に向けて、株式会社ムラヤマの皆さまの今後益々のご活躍を心より祈念しております。


レポーター:鏡味 芳徳
(株)神戸製鋼所 溶接事業部門 マーケティングセンター
国内営業部 東日本営業室 東北営業所




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