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ニチエイスチール株式会社


確かな品質と安定した納期を兼ね備えた金属加工業として発展する
ー ニチエイスチール株式会社

香川県は東部に位置するさぬき市。志度湾や津田湾など瀬戸内海に面した景観豊かな地であり、稀代の発明家「平賀 源内」の生誕の地でもあります。1970年代よりこのさぬき市に工場を構えられる「ニチエイスチール株式会社」様は、鋼床版・耐震補強工事などを中心とする高い技術力のもと、2021年には羽立第8工場を新設されるなど顧客からの信頼をもとに今も成長を続けておられる企業です。今回同社へ訪問し、岡田常務へお話を伺いました。

岡田常務
藤目工場長

本日はお忙しい中、貴重なお時間を頂戴し誠にありがとうございます。まずは御社の成り立ちを教えてください。

当社は主に耐震補強のブラケットやパイプ形状の道路標識柱などをメインに手掛けてきております。2004年に羽立第2工場稼働、2008年から2013年まで同第3、第4、第5工場稼働と段階的に工場を新設してきた歴史がありますが、近年では2021年に耐震補強ブラケットの溶接工場として第8工場が稼働致しました。工場の増設の背景には製品自体の重量が大きくなったことや、耐震関係の工事が増加傾向にあることもありますが、ターニングポイントとして2018年にISO 9001の認証を取得し、お客様からの信頼性が高まった(安心して任せられる立場となった)ことも大きかったのでは、と感じています。NEXCOからのお仕事もISOを取得する前後から増えてきたと感じています。

近年でも工場を新設されていらっしゃるのは素晴らしいことと感じますが、御社の強みについて教えてください。

切断~溶接~塗装に至るまで一貫で手掛けていることが強みと考えています。これにより例えば切板支給の場合だとその荷待ちによる無駄なロスタイムが発生することなどを省け、お客様からの納期が厳しい場合にも対応しやすくなります。特に耐震補強の案件はどうしても図面ができた後も実際の現場工程と照合した上で修正を何度か行う必要があるのですが、その修正が承認されるまでのリードタイムを含めると加工工程へのしわ寄せは発生致します。当社は一貫生産に加え現場と設計が近いことにより、例えば製品として物理的に溶接箇所にトーチが入らない、など実施工上の不具合点を現場と打ち合わせて早期に発見しお客様へ進言することができ、納期面で優位に対応できます。このような場面を通じお客様から選ばれる会社として価値を見出していただいている、との認識を持っています。

人材育成の取組みについて教えてください。

若い人に入ってもらうようにリクルート活動にも力を入れておりますが、そのひとつには休日を確保する体制にしておくことも大事だと考えています。これまで休みの少ない会社、とのイメージもありましたが、近年は休日をしっかり確保し、働き方改革の取組みに力を入れています。また、若い方には早いうちに製品の全体像をつかんでもらうために、最初に仕上げ工程から入ってもらい、その後歪みとりを経て溶接工程についてもらうようにしています。単純ですが重要な後工程から学んでもらうことで、個々のステージの重要性が理解できます。

また多能工化、も大きなテーマです。人が休んだり抜けたところを応援できるよう、部署外の人もその機械が触れるよう部署間異動を増やしています。繁忙期に異なる仕事を覚えるのは至難のため、少し空いたタイミングで教えることができる体制をつくることが重要です。

また、何といっても安全第一とした教育にも力を入れています。月1回部署を跨いで工場内の安全パトロールを行い、改善点を挙げ改善していく、といった取組みを行っています。

安全第一は日々現場を含め営業させていただいている我々も肝に銘じておきたいと思います。溶接に関して特に重視されている点はございますか?

溶接品質と外観の両方が重要です。特に耐震補強は鋼板も厚い上完全溶込みが主体ですが、ソリッドワイヤで盛った後に最終層をフラックス入りワイヤで仕上げる、といった工程を踏んでいます。当社はALL半自動ですが、元請から立会い試験の場などで「ロボットでやっているのですか?」とよく聞かれるほど、溶接の外観を評価されることが多いです。溶接の中身は超音波試験などで確認できますが、ビード外観は実際のものを見ていただくしかありません。溶接工程にはすべてV(下向き)になるように溶接士一人一人のブースにクレーンを設置しており、溶接士が最もやりやすい姿勢を確保できるようにしています。

そのような工程には惜しげなく設備を入れることが当社の考え方であり、それが品質の確保と納期遵守を両立するベースにあると考えています。

美しい溶接ビード
半自動溶接

美しい溶接ビードの理由が分かりました。溶材メーカとして当社への要望などございましたら教えてください。

先ほどの溶接工程への考え方のとおり、ワイヤにもこだわっており、御社の製品を使い続けているのは品質を含めた信頼性からです。現状でも十分満足していますが、溶接部として求めるものはやはり外観が美麗でスパッタが少なく、かつ溶込みの出やすいことかと思います。ブラケット部品なども形状が複雑化し難度が高くなっていることもあり、この2点はニーズとしてはありますね。

貴重なご意見ありがとうございます。参考にさせていただきます。今後溶接において自動化などのニーズなど出てくる可能性はございますか?

当社の製品は一品一様であり自動化は困難と考えています。リブ位置や形状、穴開け場所などすべて製品ごとに異なるため、今後も半自動溶接が中心と思います。すべてを読み取って走る溶接台車でもあれば別ですが。

承知致しました。最後に御社の今後の展望をお聞かせください。

先ほどのジョブローテーションなどを踏まえ、現場力をもとに既存の公共案件だけでなく、金属加工に関わる新規案件は積極的に取り入れていきたいと考えております。営業と現場、設計の三位一体となった活動にこれからも力を入れていきます。

本日は大変貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。
岡田常務は日頃より溶接士をはじめとして現場の方のご意見をよく聞かれており、その技量の信頼性を含めて品質確保に強い信念をお持ちの様子が伺えました。「日々栄えることのできる鉄工・金物加工の専門センター」として名付けられたニチエイスチール株式会社の皆様の今後益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。


レポーター:宇治原 宏昭
(株)神戸製鋼所 溶接事業部門 マーケティングセンター
国内営業部 西日本営業室 四国営業所


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