愛知県西部に位置する愛西市。日本でも有数の大河川である木曽川を挟んで岐阜県と三重県と接し、木曽川の豊かな水に恵まれた肥沃な土壌を活かし、レンコンの国内有数の産地としても有名です。約300年前から始まったレンコンの栽培で、夏には花ハス、秋から冬は収穫の風景が愛西市の風物詩となっております。
今回はこの愛西市に本社を構え、東海屈指の溶接ロボット保有数を誇る垣見鉄工株式会社様を訪問し、垣見直紀副社長にお話を伺いました。
お忙しい中お時間をいただき、ありがとうございます。本日はよろしくお願い致します。早速ですが、御社の概要についてお聞かせください。
当社は1955年に創立し、1997年にHグレードを取得、ヤードなども拡充していき、総敷地面積46,285㎡まで成長することができました。当社では神戸製鋼さんのロボットを中心とした溶接工程、一次加工も含め、自動化に力を入れてきました。当社が独自開発している生産管理システムにより、事務所に設置したモニタで、各工程の稼働状況や出来高をリアルタイムに一元管理する取組みも行っています。
また本年創立70周年を迎え、6月に「創立70周年祝賀会」を従業員を含む、約450名に参加いただき開催することができました。
創立70周年おめでとうございます。実はこのユーザールポ、御社は2回目でして、1回目は1998年で「人と人との温かな心の通い合いを大切にして」というタイトルでした。長きに渡り、神戸製鋼の溶接ロボットシステム、溶接材料をご愛顧いただきましてありがとうございます。
イメージキャラクターなどの広報宣伝、福利厚生の取組みについてもご紹介いただけると幸いです。
昔の鉄工所というイメージを覆し、お客様や地域の方々など多くの皆様に当社への興味を持っていただきたいとの思いから、オリジナルキャラクター「KAKIMI-MAN」を誕生させました。KAKIMI-MANはイベントへの登場、外壁、ペットボトル、名刺などへのプリント、工場の周りを覆うフェンスにアメリカンコミック風に装飾するなど、いろいろなシーンで活躍しています。福利厚生として、従業員の健康維持と体力強化のために設置したトレーニングルームでは、他部署間の交流が盛んに行われています。また、現場近くにパウダールームも兼ね備えたトイレを新設するなど、働きやすい環境づくりにも取組んでいます。こうした取組みに興味を持って入社してくれる社員も増えており、徐々に効果を実感しているところであります。
ありがとうございます。KAKIMI-MANが施された工場外壁も目を引きますね。
次に神戸製鋼の溶接ロボットシステム、溶接材料への評価をお聞かせいただけますか?
昔から当社では自動化を進めており、-VXの頃から神戸製鋼さんの溶接ロボットを使用してきました。現在は柱大組立、コア連結、天吊マルチワーク、石松™ の各種溶接ロボットを保有しています。特に天吊マルチはその時の仕事量や工程の流れに伴って、コア溶接と仕口溶接を使い分けできる点が大きな魅力と感じています。ロボット用の溶接ワイヤは[F]MG-56R(N)を使用。ロボット、ワイヤとも神戸製鋼製という安心感があり、人手不足が進行する今、ロボットがなければ、仕事が立ち行かないところまで来ていると実感しています。
また、当社では工程ごとに製品についたスパッタを除去していますが、によりスパッタ除去工程での作業時間が大幅に削減された点も助かっています。
ご評価いただきありがとうございます。当社への今後の期待などございましたら、教えてください。
神戸製鋼さんは、溶接技術のリーディングカンパニーだと考えています。当社では柱・梁加工の分業体制確立と一次加工強化のため来年の完成を目指し、新工場建設の計画を進めているので、神戸製鋼さんの取組みの中でも、梁溶接工程の自動化に一番期待しています。優れた溶接技術を搭載した製品の開発、提案をよろしくお願いします。また溶接工程に限らず、例えば外観やUT検査の自動化などについても、将来ご提案いただければと思います。
貴重なご意見ありがとうございます。ご期待にお応えできるように開発、提案を進めてまいります。
最後に今後の御社での取組みや抱負を教えてください。
先ほどの新工場建設後は、本社工場の建て替えも考えていきたいですね。創立から70年を経て、大型化するワークなど、グレードに見合った仕事をする中で既存建屋にあるクレーンなどのスペックでは対応が難しい場合もあり、効率化も図りつつ、設備の入替えも行いたいと思います。また、新工場への集約で本社工場にはスペースもできることから、より安全な工場レイアウトも検討していきたいと考えています。社長も「安全と自動化を推進し、最終的には作業服ではなく、ジャケットを着て、モニタを見ながら仕事をするような現場を目指したい」と話しています。実現には時間がかかりますが、そのような会社を目指していきます。
本日はお忙しい中、取材にご協力いただきましてありがとうございました。最後になりましたが、垣見鉄工株式会社様、関係者皆様の今後ますますのご健勝をお祈り申し上げます。
※文中の商標を下記のように短縮表記しております。 FAMILIARC™→ [F] |