営業部ニュース-1

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本田重工業株式会社


最新の技術力を持った造船のプロ集団として、
お客様と社会の期待に応える船を造り続けていく
ー 本田重工業株式会社

大分県南東部に位置する佐伯市は九州最大の市面積(約903㎢)を持ち、豊かな山々とリアス式海岸が広がる自然に恵まれた港町です。日本の造船業の隆盛を背景に発展してきた「造船のまち」としての一面も持ち合わせ、造船所を中心に鉄工・機械加工など関連産業が集積し、まちの産業・経済を支えています。

今回は佐伯港の臨海工業地帯で創立100年の歴史を持つ本田重工業株式会社様を訪問し、お話を伺うことができました。

工場全景 ※本田重工業様HPから引用
左から、橋本部長、安部常務取締役、平井取締役

■ この度は取材申し入れをご快諾いただきありがとうございます。まず御社の沿革と事業内容をお聞かせください。

1924年に佐伯市で創立された「本田造船所」が当社のルーツです。最初は木造船舶の造修を手掛けていましたが、戦時の企業集約化や近隣造船所の買収を経て1960年に鋼船建造を開始しました。2005年に現社名となってからは新造船建造事業に一本化しており、1万7千~ 1万9千㌧クラスのマルチパーパス貨物船やRORO船、内航船を建造しています。昨今は世界的な造船需要の高まりを背景に新造船の受注は継続的にいただいており、線表は引き渡しベースで29年度上期頃まで確保できています。

木造船の建造(1933年3月) ※本田重工業様HPから引用

■ 創立以来、一世紀にわたり地域とともに造船業を続けてこられた御社が大切にされてきた“現場の考え方”や“ものづくりの姿勢”を教えてください。

「神は細部に宿る」という当社社長の言葉があります。これは細かいところや見えないところまで丁寧に作り込むことを指し、ものづくりの現場で実践している当社の姿勢です。例を挙げると、エンジンの騒音・振動を抑える船殻設計や煙突配置の工夫で居住環境の向上を図っているほか、多様な貨物に対応するためタンクトップの強度や貨物スペースの広さを考慮した設計を行っています。こうした船づくりへのこだわりはお客様から高く評価いただいており、当社建造船が中古船市場でも高値で取引されている理由の一つと考えています。

海外のお客様向けにも多数の納入実績があり、2025年には南太平洋の島国ツバルへ貨客船を納入しています。これはツバル政府が保有運用し国内の人の移動や物資運搬に活用する輸送船で、当社の実績・信頼が評価され、受注につながったと聞いています。

岸壁艤装中の1万7千㌧重量物運搬船
250t吊×2基のデッキクレーン付
ドックと組立工場を望む

■ 積み上げてきた品質と信頼が、お客様から選ばれ続ける理由となり、100年という歴史を形づくってきたということですね。一方、造船業界を取り巻く環境がめまぐるしく変化する中で、生産現場においてどのような課題意識を持たれているかお聞かせください。

造船業界全体の共通認識となりますが、熟練作業者の高齢化・退職により技能継承が課題となっています。当社が建造する船は一隻ごとに船種や船殻設計が異なりますので生産工程の自動化が難しく、依然として職人さんの技量に頼る部分が多いと感じています。

技能者の減少がさらに顕在化する将来を見据え、当社では13の協力会社とともに職種を超えた多能工化を進め、役割を相互補完することで業務効率化と技能継承を図ろうとしています。また、外国人労働者の教育・登用にも積極的に取り組み、溶接や塗装、機械のオペレータ分野をはじめ、船舶建造に関わる各工程で活躍しています。

■ 御社の船づくりにおいて神戸製鋼所の溶接材料はどのような役割を果たしているでしょうか。また当社に今後期待していることがあればお聞かせください。

皆さんには驚かれますが、我々の手掛けている船は厚みわずか2㎝ほどの鉄板を溶接でつなぎ合わせて荒波を力強く進みます。溶接は「構造・品質・生産性の基盤となる中核技術」であり、船づくりの要と位置付けています。

溶接施工では半自動溶接が大半を占めますので、ステージ問わず全姿勢溶接用フラックス入りワイヤDW-100を長年使用しています。安定した品質と使いやすさは現場で高く評価されており、一度DW-100を使ってしまうと他メーカ品には浮気できないとも言われています。神戸製鋼所さんには品質・作業性のさらなるブラッシュアップと安定供給をお願いしたいところです。

DW-100での半自動溶接風景

■ 納入店の江藤酸素様と連携して引き続きフォローして参ります。最後の質問となりますが、今後強化していきたい分野や取組みを教えてください。

Instagramへはこちらから

これまで手掛けてきた貨物船・RORO船・貨客船に加え、将来的にはフェリーや客船など新たな船種への挑戦を考えていきたいです。設備面ではクレーン容量増加やブロック搭載数削減による効率化・省人化の検討を進めています。

最近の取組みとしては、若手社員主導のもとInstagramによる情報発信を強化しています。工場・現場のリアルな写真/動画や社員インタビューを投稿することで会社の魅力を視覚的に伝えることが可能となり、知名度向上や採用活動に活用しています。昨年『造船女子のランチ』をテーマに動画投稿したところ、フォロワー500人規模のアカウントで1,000を超える「いいね」をいただき、SNSの宣伝効果を実感しています。本ルポをご覧の皆様におかれましても、当社のインスタアカウントをフォローいただければ幸いです。

■ 本日はお忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。インタビューを通じて、長年にわたり受け継がれてきた船づくりに対するこだわりと誇りを随所に感じました。世代を超えた連携が新たな担い手を育て、造船の未来を切り開いていくことを期待しております。最後になりましたが、本田重工業株式会社の皆様の今後のますますのご活躍をお祈り申し上げます。


レポーター:小林 邦彰
(株)神戸製鋼所 溶接事業部門 マーケティングセンター
国内営業部 九州営業室


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